夏に子供が生まれるから6月に梅酒を漬けて、子供が二十歳になったらお祝いに一緒に飲みたい。
これって親になる(お酒好きの)人なら一回は夢見ることかもしれません。
でも手作りの梅酒ってそんなに保存が利くんでしょうか?
20年後開けて見たら酸っぱくなっていたら残念すぎますよね。
自家製梅酒がどれぐらい保存が利くのか、そしてどうやったら腐らずに20年以上保存することができるのか?
(忘れ去られた)35年物梅酒を発掘した現場からお送りします。
梅酒を手作りするといつまでもつの?
もう初っ端でネタバレしているようなものなのですが、手作りでも保存状態が良ければ梅酒は20年はゆうにもちます。
というか35年も忘れ去られていた梅酒が祖父母宅で発見され、恐る恐る開けて飲んでみたところ、あまりのおいしさにもう普通の梅酒じゃ満足できない体になってしまいました。
それぐらい美味しいです。
祖父母宅で見つかった梅酒は、35年・29年・18年前の3種類でした。
ホワイトリカーで漬けられたもので、梅は引き上げられて一升瓶に封入されていました。
保存されていた場所はひんやりした納戸の奥。
しかし祖父母は引っ越しをしているので、その前は台所の床下収納あたりに保存してあったようです。
というか、なんで飲まないのに漬けたんでしょうおばあちゃん・・・w
おかげでとても美味しい物をいただくことが出来ましたが。
ということで、手作りの梅酒は一般的な方法で上手に漬けてちゃんと保存すれば20年もちます。
そしてめちゃくちゃ美味しいです。
お子さんが二十歳になった時のお祝いに一緒に飲むには最高のお酒になると思いますのでオススメです。
梅酒を手作りして20年保存するコツ
さて、「一般的な」方法で、でも「上手に」漬けて「ちゃんと」保存とは、いったい何ぞや?というところです。
手作り梅酒において、一番の敵は梅に着いた水分です。
20年以上腐らせずに保存するにはこの水分を徹底的に除去する必要があるということです。
手作り梅酒の基本的な材料は
●氷砂糖(500~800グラム)
●青梅(1~1.2キログラム)
だけです。
分量は大体です。甘さや酸味など、お好みの配分を探してみてもいいでしょう。
このうち、水分を含んでいるのは青梅だけ。
つまり梅についた水分をちゃんと取ればいいんですね!
と・・・思ったら。
材料はこの三つでいいんですが、他に道具として
●竹串(梅のヘタを取り除く)
●清潔なふきん(梅の水分を取り除く)
が必要でした。
そしてこの保存瓶は言わば梅酒をずっと保管しておくものなので、雑菌が付いていてはいけません。
消毒をして、こちらも完全に水分を取っておかなければならないということ。
という「上手に」漬けるためのコツ2点を抑えたところで手作り梅酒のつけ方の流れです。
2.青梅を流水で洗ってたっぷりの水に浸して1~2時間ほどアク抜きをする。
3.アク抜きをしている間に保存瓶を熱湯消毒しておく。(耐熱瓶ではない場合はアルコール消毒など)熱湯消毒後は瓶の口を下に向けて(でも隙間は空けて)完全に乾かす。
4.清潔なふきんやキッチンペーパーで青梅を拭きながら、ヘタやヘタの部分に詰まっているごみを竹串で取る。(ここでしっかり水分・汚れ・ヘタを取らないとそこから腐ることも)
5.保存瓶に青梅と氷砂糖を交互2~3段ぐらい積み重ねていく。
6.ホワイトリカーを上から注ぎ入れて密封して冷暗所で保存。
特に水分や汚れに気を付けたいのは瓶の熱湯消毒と乾燥、そして青梅の洗浄です。
ここで手を抜くと20年はもちません。
また、こうやってできた梅酒ですが、一年後ぐらいには梅は取り出した方がいいでしょう。
入れっぱなしでももちろん大丈夫なのですが、どんどん梅自体が柔らかく崩れていくので見た目が少々悪くなってしまいます。
一年後ぐらいに梅を取り出してまた冷暗所に入れ直してください。
これが基本的な作り方ではありますが、しっかりと手順とポイントさえ押さえて作って保存しておけば20年後にはとろけるように美味しい梅酒が飲めると思います。
・・・と、理論上はそういうことなのですが、実は最大の敵は20年我慢できずに飲んでしまいそうになる自分だったりするので気を付けてください。
手作り梅酒が腐る原因
梅酒に限らずですが、腐るというのは水分と菌が密接に関係しています。
水分が無ければ通常の菌は活動することができず、活動が出来ないということは周囲の物を変質(腐敗)させることがありません。
とはいえ、青梅は外側をどうやって乾燥させても中身は果実なので水分を含んでいますよね。
ではなぜ瓶と青梅を洗った際の水分を拭き取ることで腐敗を防ぐことが出来るのでしょうか?
答えはアルコールにあります。
アルコールというと除菌というイメージもあるかと思いますがその通りで、アルコール度数35%というのは完全には除菌できないもののある程度腐敗を押えてくれる効果があります。
そのためアルコール度数が低いお酒を使うより、35~40%と高い度数のお酒を使うことで長期間の保存が出来る梅酒を手作りできるというわけです。
現在はネット上で様々な方が色々なレシピを考案されていますが、20年もつ自家製梅酒を作る際には必ずホワイトリカーなどのアルコール度数の高いお酒を用意しましょう。(度数20以下のアルコールでは漬けると違反になります)
これだけ気を付けて作ったとしてもやはり手作りなので、保存方法が悪かったり、水分がうまく除去できていないと腐ってしまうことがあります。
その場合にはお酒はお酢になってしまうので(腐敗と発酵は実は同じ現象を意味します)、お酢独特の酸っぱい匂いや味がした場合にはダメになってしまったということで諦めてください。
お酢だから飲めるんじゃ?!と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
一方で、腐ってしまったように見えるけど実は違うよ!ということが熟成梅酒に限ってはいくつかあります。
まず氷砂糖少な目で作った場合。
これも実は酸味が強くなります。
しかしお酢独特のツンとした匂いはなく、飲んでも酸味強めのさっぱり梅酒になっていることがあります。
この場合は腐っておらず、お酒として飲めるので大丈夫です。
また、漬けた梅を取り出さずに忘れてしまった場合。
確かに腐ってカビが浮遊している場合もあるのですが、梅が自然に崩れてグズグズになってしまって一見腐っているように見えることがあります。
でも匂いや味は普通、ということであれば上澄みをすくうか、濾過して飲んでみてください。
中にはこの濁りが好き、という人もいたりします。
最後に、色があまりにも黒っぽい飴色になってしまっている場合。
実はン十年も熟成させた梅酒は濃い飴色になってしまいます。
でもこれも腐っているわけではないので大丈夫。
私が飲んだ35年物はブランデーのような色合いでしたが、とても美味しかったです。
自家製梅酒を子供が成人するまで保存方法まとめ
●水分と雑菌が入らないように手順はしっかり守って作る
●腐っているかは酸っぱい匂いと味で判断
●色が濃い飴色になっていたり浮遊物があったりしても実は大丈夫ということもあるので、見た目だけで腐敗の判断はできない
手作りのお酒で子供の二十歳をお祝い出来たらと思って、実は私も今年は梅酒を漬けてみようと考えています。
ただ、一番の敵は何より自分・・・。
飲んでしまわないように、どこか完全に存在を忘れられる場所に保管しておこうかと思います・・・orz
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