小論文の対策をしなきゃしなきゃと思っているけれど、なかなか重たい腰を上げることが出来ずにいる・・・なんて人いるかもしれません。
あるいは小論文以外の勉強もしなきゃいけないから、なるべく小論文の練習には時間を使いたくない、ギリギリでやりたいという人も。
色々な理由(言い訳?)で小論文対策というのは後回しにされがちですが、いったいいつから、どれぐらいの期間、対策をすればいいのか?
元高校の先生に聞いてまとめてみました。
小論文を対策する時期って今からでも間に合う?遅い?
AO入試や自己推薦、指定校推薦など、小論文で受ける受験は早い時期からいろいろあります。
しかし、小論文は大学受験の主要科目というわけではないので、やはり時間を割きたいのは英語数学といった科目ですよね。
あるいは二つの大学学部学科の受験でそれぞれに小論文のテストがあって、両方を対策するべきか、あるいは片方に絞るべきなのか・・・今からでもまにあうのか、時期的にもう二つ対策するには遅すぎるのかと悩む場合もあるかと思います。
様々な理由で対策する時期を気にする生徒さんが多い小論文ですが、一概にいつから始めれば十分な練習時間を確保できるというものは存在しません。
これは推薦でもAO入試でも一般の二次試験でもすべてにおいて同じことが言えます。
ついでに言うと二つの学校を受けようと思っていて両方受けるか、あるいは片方に絞って小論文対策をするかで迷っている場合も同じです。
どうしてこんなことが言えるかというと、小論文を書く力というのは実はその人それぞれで違うからです。
いやそんなの当たり前でしょ!と思うかもしれません。
が、じゃあ帰国子女で英語がペラペラの子とずっと日本で暮らしてきた子では、同じテストで同じ点数を取るために必要な英語の勉強時間は全然違いますよね。
帰国子女の子の方が圧倒的に勉強時間は少なくて済むはずです。
同様に小論文を書く力というのは、あなたがこれまでの人生で培ってきた文章を読む力・構成する力・理論展開をする力・知識・知識同士を繋げる力というのがどれぐらいあるかというのに左右されます。
例えば小さいころから本が好きだった人は、文章を読む力、構成する力(書く力)が他の人よりも高い場合が多いです。
本だけでなく、新聞を毎日読んだりする人も同じです。
小論文の問題を読み解く力があるかどうか、ねじれのない文章が書けるかどうか、分かりやすい文章が書けるかどうか、という部分でこの力が発揮されます。
また論理展開する力というのは、説得力がある小論文の構成が作れるかどうかに影響します。
どんなにきれいな文章を書けたとしても、文章ごとあるいは段落ごとに繋がりが全くない構成では意味がありません。
『私は××について△△と考える。なぜなら△△は◇◇だからだ。そのため××は△△である。』
こういったABAの構成や起承転結など様々な文章構成の方法はありますが、どれであったとしても全く知らない誰かが読んでも分かる話の筋書きを作れるかどうか?
小論文を書くためには必須の力です。
さらに知識と知識同士を繋げる力ですが、これは「引き出し」とも言われます。
大学は高校とは違って専門分野というものがありますよね。
それはあなたが受けたい大学の学部学科ごとに違います。
小論文を書くにあたって、その専門分野の少なくとも基礎的な知識が必要になります。
というのも、大体小論文の問題やテーマで出されるのは学部学科の専門分野に関するものが多いからです。
まさか英文科の小論文のテーマに「日本語で地球温暖化について考えを述べよ」なんて問題は出ないでしょう。
地球温暖化の問題が出題されるなら環境系の学部学科の方が圧倒的に確率は高いはず。
だとしたら環境系の学部を受験するならば関連する知識を持っていなければ小論文を書くことができないというわけです。
さらに知識同士を繋げる力というのは、例えば地球温暖化についての知識があったとして、それを海水温度の上昇の話題と関連付けて自分の考えを述べられるか?というようなことです。
どれだけ知識の引き出しが多かったとしても、知識は組み合わせて使うものなので関連付けて考えられなければ意味がありません。
以上のように幾つかの小論文を書くのに必要な力があるかどうか?
それが十分にあるならば、ぶっちゃけ小論文は対策しなくたって受かります。
逆に全くこういうのダメだ!全然できない!という人は三か月前から対策していたとしても間に合わないかもしれないのです。
また、複数の大学の試験で小論文が必要だけれどそれぞれに対策をやっていて間に合うのかどうかわからないという人は考え方を変えてみてください。
まさかとは思いますが、文学部と数学科を受けるわけではないと思います。
ということは、違う大学とはいえ似たような学部学科ではないでしょうか?
ということは、先ほど述べた知識と知識を関連付ける力に関しては同じ知識で事足りるはずなのです。
ついでに、文章を読む力・構成する力・理論展開をする力なんていうのも、大学が変わったとしても全く違うものが要求されるわけがありませんよね。
では何が変わるのか?というと、それは文字数や出題傾向だけです。
それって大事じゃん?!って思うかもしれませんが、実はそうたいした問題ではありません。
書く文字数が400字なのか1200字なのかというのは、ただ単に慣れの問題。
さらに言えば、論理展開をする際の具体例や反例を盛り込む数の違いだけです。
なので基本的な練習は同じですし、必要な知識の種類も一緒。
また、出題傾向は単純に要約なのか、知識を問われるものなのか、あるいは英文なのか、はたまた考えを述べるものなのか、そう種類はありません。
さすがに英語で回答するものは難しいですが、いずれも問題文が読み解けさえすれば書くのは日本語。
文章を読む力・構成する力・理論展開をする力はいずれも一緒で、あとは知識が必要なのか必要ないのかという点だけです。
小論文対策の時期なんていつからやったらいいのか気にするよりは、とりあえずやっておいても損はないように思います。
小論文対策の方法
小論文対策の時期とともに、やっぱり気になるのは方法ですよね。
方法によっては時間が短縮されるかも?と期待するかもしれません。
が、一番手っ取り早く、そして確実な方法は書いて添削してもらうことです。
これ以外には考えられません。
文章を書いたり読んだり構成したりする力は、実際に考えて書いてみなければ力にならないということなのです。
実際に小論文の練習をする際には、小論文対策の参考書などを買って実際に書いてみてください。
そしてそれを国語の先生ではなく、テーマに対応する教科の先生の所へ持って行って添削をしてもらってください。
国語の先生が添削できるのは正しい文章が書けているかどうかという点です。
しかし小論文の中には、特に理系では国語の先生では分からないようなテーマが多く出題されます。
そういったジャンルの小論文の添削は、国語の力というよりも専門的な知識や知見が必要になってくるので、例えば生き物のことであれば生物の先生、時事的なテーマであれば社会関係の先生などに添削してもらう必要があるのです。
詳しくは『小論文の練習のコツ 対策の本でおすすめ・新書や新聞の効果は?』をどうぞ。
ただ小論文を書くために必要な知識がないと感じる場合には、あなたが行きたい大学の教授が書いているサイトを読むのがおススメです。
本来であれば時間の許す限り専門的な新書を読んで楽しく知識を吸収するのがベストなのですが、受験生がそんな時間あるわけもなく・・・。
そういう場合に手っ取り早く知識を入手できるのがインターネットなのです。
が!ここで落とし穴があるのが、ウィキペディアなどの大衆が編集しているサイトです。
情報量が多くリンクもあって大変便利ではあるのですが、中には間違った情報もあります。
そのため、正確な情報を得たいと思ったらそれは専門分野の人が書いた情報に頼らなければならないのです。
・・・って、専門分野を勉強するために大学に行くのですから、その大学の先生が書いた情報ならば正しいはず、ですよね。
最近は高校生にもわかるように大学紹介や研究室紹介のサイトが開かれていることも多いので、そういったホームページで知識を得るようにしてみてください。
詳しくは『小論文の対策をしないとどうなる?知識がない、独学でやるなら』をどうぞ。
いずれもそれなりに時間がかかる練習になります。
ですが、こればかりは簡単に手っ取り早くという近道はありません。
時間を気にするよりも、練習を重ねる方がずっと建設的ですよ。
小論文の対策はいつからやっておくべきなのか?
さて、時期や時間なんか考えるよりも手を動かせ的なことを重ねて行ってきたわけですが、それでもやっぱりいつからやっておくべきなの?というのは気になるところです。
で、結局いつからやっておくのがベストかというと「思い立ったら始める」これが正解のようです。
知識というのは一晩で吸収できる量には限りがありますし、文章を書いたり読んだりする力なんてのはそれ以上に時間のかかるものです。
思い立ったら、あるいは気が付いたら本が好きだったとか、そういう人には付け焼刃では対応しきれないのです。
そんなことを言われたらどうしようもないじゃないか、と思うかもしれませんが、そういう人は超が三つつくぐらいマレなので基本いないと思って大丈夫です。
居たとしたらそういう人は確実に合格しているでしょうが、その人だけが合格するわけではないのであなたはあなたのできる限りの練習をして試験に臨めばいいんです。
もしいつからやればいいのか迷っているのであれば、ほかの教科の勉強の邪魔にならないように、なるべく早めに練習を開始してみてください。
小論文の勉強を主体に置く必要は全くありません。
むしろほかの教科の勉強をしっかりをやっておくことが、小論文を書く際には知識・知識同士をつなぎ合わせる力という部分で発揮されてきます。
細々とでいいので、文章を書いたり読んだりする力を蓄えて置いてみてください。
小論文対策の時期や方法についてのまとめ
●二つ以上の大学で小論文対策が必要であっても、基本的な土台は変わらないので対策に時間が足らないというのはあまり気にしなくて大丈夫
●とにかく書いて添削してもらうのが一番いい方法。近道はない
●対策は思い立ったらやり始めるのがよい。ただし他の主要な教科の勉強の邪魔にならないように。主要教科の勉強も小論文の対策になるのでおろそかにしてはダメ
最近はようやく小論文を高校でも教科のように練習する時間を取るところも増えてきましたが、それでも主要教科に比べたら微々たるものです。
自分で練習しなければどうしようもないものだからこそ、最低限でいいとは思わずに十分に対策するように気を付けていきたいものです。
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