親世代には目ん玉飛び出るような「小学校で英語」の話。
小学校だけならまだしも、それが中学受験に飛び火するから話はもっと大変な方向になっていくわけです。
国数理社の4科目だけでも大変なのに英語まで受験科目に入ってきたらどうすればいいの?
勉強間に合うかしら、そもそもいつから正式に導入されるの?
今後はどうなって行っちゃうのか心配・・・どこの塾に入って英語の受験対策をしてもらったらいいのか分からないなどなど。
親が英語苦手だと、英語が受験科目になったというだけで戦々恐々となってしまいがちに。
中学受験に英語がどうやって入ってくるのか、それに対して受験生はどうやって勉強をして対策をしていけばいいのか、塾・学校・模試・文科省など様々な情報から考えていきます。
中学受験に英語はいつから入ってくるようになる?
実はもう英語の試験を取り入れている私立中学は意外と多くあります。
ええうそ!どれぐらいあるの!?という方はまずは首都圏模試センターの資料で確認してみてください。
→2019年首都圏中学入試での「英語(選択)入試」の実施校一覧
2018年は112校だったところから13校増えて合計125校(正確にはこのうちの私立中124校で国立中1校入っています)になっています。
ただ、私立中学の試験科目としてのスタンダードに英語が入ってきているというイメージではありません。
見ていただけば分かりますが、教科選択式だったり英語特化の生徒募集枠で英語の試験があったりする形が多くみられます。
そのためいわゆる大学入試のような「今年から一斉にリスニング始まります!」みたいな形ではありません。
私立は学校ごとにカリキュラムがあり、求めている生徒の層も変わります。
そのため受験科目に英語が導入されるかどうかは学校ごとの判断次第というところです。
が、一昨年より去年、去年より今年と、導入した学校が増えているのは事実です。
これをどうとらえるか?今後について考えていきます。
中学受験の英語は今後どうなっていくんだろう・・・
2018年から小学校での英語教育が開始されたのに合わせてじわじわと英語の試験を行う学校が増えていき、2020年からは完全に英語が必修の教科として導入されるのに合わせて受験内容を変える学校が増えるのではないかと言われています。
そのため現在の受験生は導入の移行期間に小学校で勉強をした子たちと言うことになります。
これまでのイメージでは、英語を選択できる入試を導入した中学は中堅校かそれより下の偏差値の学校が主でした。
しかし2017年に千葉県の市川中学が選択式の英語入試を導入し、さらに2019年からは慶応湘南藤沢も英語の選択式入試を導入しました。
未だ男女御三家は導入していませんが、この二つの難関校が英語試験を導入したことで英語入試が加速していくのでは?という見方が強くなっています。
一方で、未だに英語が固定の科目ではなく選択式としての扱いであることも注目しておくべきポイントではないかと思います。
また、御三家が導入していないのも気になるところ。
高校・大学受験では英語は必ず受けなければならない科目ですよね。
それがなぜ中学受験では、つまり小学生では選択式のままなのか?と言うことです。
これは導入からまだ日が浅いことが大きいと思いますが、もう一つは英語が言語であるという特質が一つ考えられます。
中学受験では時折、設問の意味が理解できないと回答が出来ない原因が国語、国語が全ての科目にとってのベースになっているから、ということがあります。
これがもし全ての教科が英語で出題されるのならば国語の代わりに英語が必須教科になってくるんでしょうけれども、生憎そうはならないようで。
そのため言語ベースで考えた場合、小学生では英語が基礎とはなりづらいのではないか?とも考えられます。
(ただし御三家でも開成は英語試験の導入について検討しているようです)
今後、10年スパンで考えると中学受験において英語がもっと大きなウェイトを占める時代が来るかもしれません。
しかし1,2年の単位で見る限りでは、国語にとって代わるほどの物ではないはずです。
ただし
2020年:小学校で英語が正式教科になる
2021年:小学校で英語が正式教科になった年に新5年生だった子が受験生となる年
2023年:小学校3年生の外国語活動を初めて受けた子が受験生となる年
いずれかの年に中学受験の英語が大きく変わる転換点が訪れる可能性もあるのではないかと思います。
中学受験の英語に塾は必要?どこの塾を選ぶべき?
問題は中学受験の英語対策をどうやって行っていくかと言うことです。
勉強無しで受かるほど甘くないのは分かりきっていますが、大手の受験塾では未だ受験対策講座としての取り扱いはありません(2019年3月現在)。
進学塾ではない公文の英語はどうか?というと実は前半は音読が中心。
中学レベルまで来てようやく文法に着手し、高校レベルで長文読解に入る道のりとなっています。
そのため(受験内容にもよりますが)受験のための英語としてはちょっと足りないですね。
どこの大手もまだ英語の受験対策用の講座はありませんが、受験対策ではないものならばあります。
●日能研(日米英語学院とのコラボ):小学生コース
●四谷大塚(系列の東進こども英語塾):ネイティブプログラム
●早稲田アカデミー:IBS御茶ノ水、IBS国立ラボ、English ENGINE
●SAPIX(系列のYGC):REAL
このうち、SAPIXのみが英語学習経験者を対象とした講座になっています。
いずれも大手進学塾が扱っている小学生向けの英語教室ですが、中学校受験に特化した受験対策講座と言うわけではありません。
この中では日能研と日米英語学院がコラボで行っている英会話スクールの小学生コースだけが、マンツーマンのタイプであることから受験対策を意識した講座内容にすることも可能なようです。
なぜ英語は教科の講座が無いのか、それは現在の中学受験での英語と言う科目の扱いゆえです。
正直なところ、帰国子女だったり幼少期から英語教室に通っていたりという英語に関する能力が特化していないと、現在のところでは受験では使いづらい状況になっています。
中には英検○級を持っていないと受験資格がないという学校もあります。
そのため無理に英語を0から学んで受験に間に合わせるよりも、他の4科目に集中して伸ばした方が(国語は誰でもベースがありますから)コスパがいいんです。
現在のところでは英語の方が自身が有利になるような状況でなければ英語の受験対策を行う必要はあまりないようです。
しかし今後は中学受験において英語が占めるウェイトが大きくなっていく可能性も十分に考えられますので、毎年の傾向を観察しておいた方がよさそうですね。
中学受験の試験科目の英語の対策まとめ
●今後は2020年小学校の正式教科化に伴い大きく変化する可能性がある
●現在は中学受験の大手進学塾では英語の受験対策講座は開かれていない
幼児期から英語教室に通うなど、英語のシャワーを浴びた子であっても受験英語とは違うのでなかなか点数が取りづらい場合もあるようです。
そのため中学受験の塾通いと英語教室を両立させるのは現在では難しいと言われ、中学受験を機に英語教室をやめたという人が意外と多くいます。
しかしすべてがマイナスになったわけではなく、耳は覚えていたり、中1の英語の導入部分では抵抗なく始められたりするケースに繋がってきます。
どこで英語教育を始め、どこで受験勉強に切り替えるか、あるいは受験勉強としての英語を開始するかはお子さんの能力や家庭環境にも大きく左右されることなので、お子さん自身がどうしたいのかもよくよく話し合いをした方がいいかと思います。
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