大学に進むとなぜかある「統計学」という講義
なるべくなら回避したいけど、どうしても履修しなければならない場合も
数学も苦手なのにどうやったらいいのか全然分からない・・・
そんな大学生いますよね
私も数学はⅡ&Bまでしかできず、統計学で混乱しました
しかし何を間違えたか統計学が必要な研究室に所属・・・?!
数学が苦手で嫌いだからこそ分かった
統計学が分かりづらい・つまづきやすい理由を紹介します
統計学は数学が苦手でもできるか?
まず、先のお知らせしておくべきは
こんな風に統計学について語る私自身
非常に統計学が苦手で、そして数学は大っ嫌いな人間だということです
高校生では中間・期末と数学で3点、0点を連発して呆れられました
何でそんな人が統計学について語るの?と聞かれたら
数学も統計学も苦手だからこそ
何でつまづいたのか、そしてどうして難しかったのか
分からない人の気持ちが分かったからなのです
できることならば、確かに統計学なんか回避したいと思うでしょう
私もそうでした
ただ、回避できない分野というものがあります
それはマーケティング、そして生物や化学などの実験を行う分野がそうです
私もそうなので予想が付きますが
大抵の生物好きは数学が苦手ですよね・・・!
どうして生き物が好きなのに数学やらなくっちゃいけないのおおお!!
と何度喚きたくなったか分かりません
訳の分からないσやμが出てきてただでさえ混乱しているのに
そこに標準偏差とか正規分布なんて漢字が混ざって
この教授は何語を話しているんだろう?
と、講義中にフリーズする、なんてことはままあることだと思います
さて、そんな事を踏まえてですが
私の数学の能力は高校の時の数学Ⅱ&Bがマックスです
数学Ⅲ&Cは全然分かりません
それなのに大学4年~D2年までの合計5年間を統計学系の研究室で過ごしました
そこから言えることは
数学が苦手でも統計学は何とかなる!!
ということです
なぜこんなことが言えるかというと
中学1年生から高校3年生までやってきた「数学」というものと
ほとんどの人が大学生から触れるであろう「統計学」というものは
同じ数式を使っているのに全く逆のことをしているのに
気が付かずにドツボにはまってしまうからだと思うのです
統計学でお困りの方には二つのつまづく地点があると思います
一回目は講義として行われる「統計学」が分からなくなる時
そして二回目は実際に自分が「統計学」を使わなければいけなくなった時です
まず一回目の講義として行われる「統計学」というのが分からなくなったときは
これが何のために使われるものなのか分かっていないから着いていけないんだと思ってください
何のために使うのかよくわからない状態で進んでいくので
教授何しゃべってるの??となってしまうのです
つまり自分が何をやっているのか、やり方だけ教えられていたのでは
実際何をやっているのか分からなくなってしまいますよね、ということです
二回目のつまづきポイント、実際に「統計学」を使う場面になった時は
基本的な統計学ならばExcelでできるので安心してください
小難しい計算自体はExcelにお任せできるんです
ただし、どの手法を使えばいいのか理解していないとExcelに指示が出せませんから
まずは自分が何をしたいのか、何のために統計学を使わなければならないのか
そしてどの手法を用いなければいけないのかを探る作業をしてみてください
統計学が難しすぎると思う理由
数学の計算は何とかできるのに統計学になるとさっぱり分からなくなってしまう
どうしてなのか、しばらくの間分かりませんでした
しかし統計学を実際に使い始めてようやくこの違和感の正体が分かりました
実は統計学と数学は逆のことをしていたんです
( ゚Д゚)ハイ・・??
となるのは当然ですね
比較的簡単な「近似線」を例にとって
数学と統計学がどう「逆」なのか説明していきたいと思います
高校3年生までずっとやってきた数学というのは
簡単にいうならば
y=0.9x-0.7
xに数値を当てはめたときのyの値を求めよ
というのが問題だったと思います
例えばx=2なら答えはy=1.0です
はい、これで正解です
実は統計学では、xとyはすでに大量にあるんです
わからないのは「0.9」と「0.7」の部分なんですね
例えば10個拾ったドングリの長さと重さを計ったら
長さx | 重さy | |
ドングリ1 | 2.0 | 1.0 |
ドングリ2 | 2.1 | 0.9 |
ドングリ3 | 2.5 | 1.6 |
ドングリ4 | 1.6 | 0.7 |
ドングリ5 | 1.8 | 1.1 |
ドングリ6 | 2.4 | 1.5 |
ドングリ7 | 2.2 | 1.2 |
ドングリ8 | 1.7 | 0.8 |
ドングリ9 | 1.5 | 0.7 |
ドングリ10 | 2.2 | 1.4 |
このようなデータが得られたとします
これをグラフにしてみるとこんな風になります
長さをx、重さをyとしました
この点一つ一つが、それぞれのドングリです
この10個のドングリを1つの式で表すとどうなるでしょうか?
このような近似線をExcelに計算してもらっちゃいました
そして得られたのが「y = 0.88x – 0.68」という数式です
いやいや、おおよその方向に線を引いただけじゃん!
と思うかもしれませんが、この「ブレ」こそが統計学と数学を隔てる大きな壁なのです
数学でもy=ax+b の式で複数のyとxの組み合わせが与えられて
aとbを求めなさい、という問題があったと思います
しかしこの場合必ず一本の線の上に乗ることが前提で問題を解いていましたよね?
統計学はそうではありません
そもそもマーケティングにおける人の動きや
生物や化学の分野で結果が一本の線の上にぴったり当てはまることはあるでしょうか?
あまりそういうことは無いでしょう(ある場合もありますが)
つまり噛み砕いていくと統計学(近似線)とは
誤差やブレを含んだ大量のxとyの組み合わせから
それらを一つの数式で表すためにaとbを導き出す方法というわけです
ちなみにこの誤差やブレは近似線の場合にはR2の値で表されます
R2の値は点がどれだけ線の上に乗っているか?という値で
全てのっていると1になります
このように
数学では先に係数が判明している式が出ていて
適したxとyを求めるように問われるのに対して
統計学ではたくさんのxとyの組み合わせから式の係数を問われているのです
ずっと数学をやってきた人がいきなり統計学をやると
問われているものが逆になっていることに気づかずに混乱してしまうのです
こうやって考えていくと「統計学は数学だ・・・」と考えて取り組むと
余計に訳が分からなくなってしまうのがお分かりいただけるでしょうか?
たしかに数学を用いて統計学の問題は解かなければなりませんが
統計学と数学は似て非なるものです
取り組む際には頭を切り替えて、少し見る角度を変える事をオススメします
統計学の必要性ってなんだろう
数学と統計学は違うと言うところまではお分かり頂けたかと思いますが
そうはいっても、やっぱり統計学がなぜ必要なのか
そんなものは生活のどこに役に立っているのか
懐疑的なのは仕方がないことだと思います
さて、生活の中を見回すと私たちの周囲にはたくさんの数字が隠れています
それは例えば薬の効果であったり、売買に関するデータであったり
面白いことで言えば気温とアイスの売れ行きなんかも数字ですよね
ただ残念なんことに、私たちの生活の中にある数字たちは
統計学のフィルターを通さなければただの数字のままで
どんな影響がどれほどあるのか分からないままなのです
ここに意味を与えてくれるのが統計学で習う様々な検定などの手法です
つまり数字で表されたデータを
効果や予想を導き出すのが統計的手法だと言うだけで
実は「統計学」というよりは一番必要なのは「統計的手法」ではないかなと思っています
数学と同じように統計学を学問として学ぼうという人にとっては
「おいおいコイツ何を言ってるんだ?」
と思われるかもしれませんが
「統計学って何、何言ってるのかわかんない、難しすぎヤバい意味不明」
という人は、まずは統計学という言葉を「統計的な色んな手段を学んでいるんだ」と
視点を切り替えてみてほしいな、と思います
また、実際に統計的な手段を使わざる負えない場面に出くわしたときは
まず落ち着いて、自分が統計的な手段を使わなければならない相手(数値データ)が
どんな性質を持っているものなのか探ってみてください
データの性質と、何を導き出せばいいのかが分かれば
どの手段を遣ったらいいのか分かったり
分からなければ調べることが出来るようになります
さいごに
数学・統計学両方大嫌いで苦手な元生物統計学分野出身ですが
数学と統計学の関係に気が付いてからは
肩の力を抜いて自分の持っているデータに取り組むことが出来ました
統計学の講義では確かに数値計算がある程度必要ですが
それでも地図を眺めるように自分が何をやっているのか見失わなければ
計算の途中で次に何をしたらいいのか分からなくなることは格段に減ります
数学だ、統計学だとあまり気負わずに、取り組んでもらえたら嬉しいです
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