3月が初節句。でも雛人形なんか飾るスペースがあるような家ではないし、ましてや本人はまだお雛様が何なのかもよくわからない状態。母親の私もそんなにひな祭りに思い入れがあるわけでもないし……というこちらとの温度差を全く考えずに実家は買うつもり満々で連絡が来てつらい。これって意外と困るパターンです。
っていうかお雛様って本当に必要なの? お雛様買わなきゃダメ? そんな悩みをお雛様の現時点での問題と将来的に考えられる問題を合わせて考察していきます。
雛人形いらないんだけど本当に必要?不必要?
いる・いらないだけで物事を判断するのであれば、お雛様は単なる行事の一種ですから、その行事をしないのであればいりませんよね。確かにそういう判断は出来ますし支持もします。
しかもお祝いされる側のお子さんの気持ちは未だ分からず、ですよね。一歳未満ではこればかりはどうしようもないことです。
ですが、今あなたが雛人形はいらないと考えているのは、あなたが桃の節句にお祝いされる側の立場として考えていないでしょうか。「自分なら別にお祝いされなくてもいいや」と考えているから、お雛様は本当に必要なの?と考えていませんか。
自分の子どもの成長を喜ばない親がそういるとは思いませんが、もしお祝いしたくないのであれば確かに雛人形をわざわざ買う必要はありません。
しかし「そんなことは無い、子供のことをお祝いしてあげたい」と考えているのなら、もしかしたら心の中では飾るスペースや手間の問題、金銭の問題といった別の悩みを心の中で隠そうとして「雛人形なんかいらないんじゃないかな?」と考えているのかもしれません。また、娘が将来的にこんなものいらないと言うかもしれないと不安に思っている可能性もあります。
誕生日を忘れられたらあなたも悲しいように、周囲の子が桃の節句でワイワイしているのになぜか自分は祝ってもらえないことを将来お子さんがどう捉えるのか? それが問題です。
もし本当に必要かどうか、お祝いしてあげるべきなのか迷われているのであれば、お子さんが大きくなって物心ついた後に欲しいかどうか聞いてみてください。雛人形は初節句に買うのが一般的とされていますが、初節句以外に買ってはいけないという決まりはありません。
むしろ大きくなってからの方が好みをちゃんと主張できるようになって、自分が気に入って大人になっても大事にしてくれるお雛様を自ら選べます。
お子さんが成人した後に「そういえば小さい頃からお雛様が欲しかったんだ」なんて聞いたのでは後悔が目に見えますよね。あなたがお雛様が欲しい・飾りたいかどうかではなくて、お子さんをお祝いしたいかどうかという考え方をしてみてください。
雛人形を娘に譲るのはあり?
子供のために…とは言いつつもやっぱり高いから買いたくないという心理が働くのもよくわかります。また、例えお金の出処が実家や義実家の家計であっても申し訳なくなります。そこで母親が考えてしまうのは「自分のを娘にあげればいいんじゃない・・・?」というものです。
確かに「雛人形は受け継ぐもの」という言い回しがあるので誤解されがちですが、実は雛人形は一般的には女の子一人に対して1セットとされています。これはその子を守るという意味があるからです。つまり「受け継ぐ」という言葉は、一家で3月になると祖母・母・娘三代それぞれの雛人形を飾るという意味で、お下がりを渡すという意味ではありません。
しかし現代の住宅事情や人形が高価であることから、母親のお雛様を娘の物として扱う家庭も多く出てきたため、受け継ぐという言葉が一人歩きをして誤解されてしまったようなのです。
そこで「高くて買いたくない、お金もそんなにないし・・・」というお金がネックになっている場合は、かけられる予算をあらかじめ決めてから探します。
宣伝が入ってくるものは、基本的にはお店側も高い物を買って欲しいですから、いい物・高い物を推してきます。つまり待ちの状態ではコスト的な問題を乗り越えたお雛様を見つけることはできません。ですが調べれば分かりますが、お雛様の種類によって価格も全く違いますし、ともすればお雛様の作り方というのも今はネットで入手できます。
必要なのは高いお雛様ではなく、お祝いのための心のこもったお雛様です。
一方、高いから買いたくない、ただしお金が無いわけではない(実家がお金を出してくれそうだが申し訳ない)というパターンであれば、お子さんの健康を願ってお子さんのためのお雛様を買ってあげてください。
もちろん予算の問題は無理のない程度に、一番はお祝いのためというのを忘れずに。さらに実家や義実家が買ってくれたという場合には、お祝いの席を設けたりしてお礼をするのが喜ばれます。
ついでに言うと、あなたのお雛様はあなたの物として毎年飾ってあげるのがいいと思います。その方がお人形も喜びますよ。
雛人形は誰が選ぶもの?
親のあなたから見れば子供の、そして祖父母から見れば孫の成長を祝うお人形ですから、必要不必要ではなくお祝いをするかしないのかという観点で考えるべき問題です。
その上で、買うかどうかとかどんなのを買うとか誰が決定するのか?という問題が浮上します。
もちろんお子さんが大きくなってきて欲しいと言えるのであれば、買ってくれる人に対して決定権を行使することができます。しかしたいていの場合は親か祖父母のどちらかが買うか買わないかの決定権を持つことになりますよね。
ここで考えてほしいのが、実際買ったとして誰がどこに飾るのかという問題です。十中八九、子供の母親であるあなたがやる作業になります。そして飾るのも義実家でも実家でもなくご自宅のはずです。そう、実は「雛人形いらないよね」と考えている人は自分が飾るシチュエーションを考えたときに何か困難を見つけて「要らない」と判断している場合が多いのです。
となると、買う買わない、買うとしてもどんなものか、というのは作業を実際に行うあなたが、一番口をはさむ権利があると考えるのが普通でしょう。どう考えても飾れないような七段飾りや、全く趣味ではない現代風お雛様を、娘自身が欲しがるならまだしも祖父母の満足だけで勝手に買われて送られるはただの迷惑です。確かに「いらない」と言いたくもなります。
そう言わないためにも、まずはどのタイミングで買うのか(子供が大きくなって欲しい物がちゃんと言えるようになったら? それとも今このタイミングで親のあなたが選ぶ?)というのははっきりと伝える必要があります。
そしてもし今のタイミングで買うことを決めたのであれば、置く場所を検討してどのようなタイプのお雛様がいいのかを事細かにチェックする必要があります。これをやって「置き場が無いのでいりません」をまずは封じます。
置く場所ですが、奥行と幅の他にどれぐらいの重さの物までおける場所なのかを確認してください。次に雛人形のタイプですが、古風なお雛様以外にも手入れがしやすい木目込み人形、コンパクトな収納飾りやたち雛などもあります。これで「お手入れが嫌だからいらない」を無くしてしまいましょう。
また和人形の専門店や百貨店、ショッピングモール果てはネットショッピングまで、現在雛人形を取り扱っているところは無数にあるので価格帯は本当に多種多様です。価格が高いお店だけを見て「高いのでいりません」という結論を出す前に、様々なお雛様をよく調べてちゃんと納得するものを見つけてみてください。
●価格帯(作る・数万~数十万円)
●お雛様のタイプ(手入れ・飾りやすさ・見栄えなどが全然違います)
●奥行・幅・重さ(飾る場所が無いお雛様を送ってもらってもお雛様が可哀そうです)
●お雛様の雰囲気(お子さんが選べない年齢ならば「将来のことを考えて」と一言付け加えてあなたの趣味で選んでしまいましょう)
これらの情報を一番お雛様を取り扱うであろうあなたが選んで決めてみてください。お子さんが欲しいと言えるまで成長した後ならば、雰囲気などはお子さんに聞くのもいいかもしれません。
「高いからいらない」「置き場が無いからいらない」「気に入らないからいらない」という気持ちがどこかにあるのならば、それを覆すものが現在販売されているものの中にきっとあるはずなので探してみてください。
ただこの前提である「子供の成長を祝う必要があるのかどうか」という点において必要がないと判断されるのであれば、お雛様は必要ない物だと考えられます。
まとめ
●そのお雛様はいらないという気持ちが、子供をお祝いしてあげる気持ちがあるのかないのかというところに立ち返って確認
●値段が高いからいらないけど、じゃあ自分の娘に譲るというのは実はあまりよろしくないのでオススメはしない
●雛人形がいらない理由に、飾る人本人の希望が叶っていない場合「いらないのでは?」と考えることが多いので、飾る人が飾りやすい希望をちゃんと伝える
お雛様を飾る桃の節句の風習は、確かに古いなぁとも思いますし私も正直自分のお雛様を飾るのですら面倒くさいと思うところはあります。ですがそれは親側の気持ちであって、お子さんはまた違った目で世間の桃の節句を見ています。お子さんがいらないと言えば確かにいらないのかもしれません。それが確実になるまではあなたの「いらない」気持ちは少し片隅によけて置くことをオススメします。
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