梅雨だなぁという感じで、雨がしとしと降り続いているのを眺める6月。
そういえば日本って「梅雨(つゆ・ばいう)」とは言うけど、なぜか「雨期・雨季」とは表現しませんよね。
アフリカとかなら乾期とか雨季とか、くっきり表現されるのになんで?
日本の雨季と梅雨の違いについてまとめてみました。
梅雨と雨季の違いってなに?同じなの?
アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園でチーターが・・・みたいな自然動物系のテレビ番組を見ていると、大体雨期と乾期の境目がくっきりと表現される場面が見られます。
干上がった川にダーーーっと上流から水が流れてきて、数日で下草が芽吹いて・・・みたいな。
でも日本ではそんな何か月も雨が降らなくて川が干上がったり、逆に一気に降って水が流れてきたりなんてことはありませんよね。
かといって、雨期らしいものが全くないかと言えば立派にも「梅雨」というものが存在しています。
しとしと一か月ぐらい雨が降ったりやんだりを繰り返す梅雨は雨期に相当するのでしょうか?
実は「雨期」というのは一年のうち、おおよそ一か月ぐらいの間、降水量が多い季節のことを指し示す言葉です。
つまり梅雨は確かに一か月ぐらい降水量が年間多くなる時期なので、雨期の一種と言えます。
しかしどこのテレビ局の天気予報をみても、気象予報士のお姉さんは「雨期にはいりました^^」とは言ってない。
ナンデヤネン。
というのは簡単なことで、夏になる前に雨期の一種である梅雨があると共に、夏が終わって秋になる前に秋雨前線が停滞する時期=また一種の雨期があるので区別して「梅雨」と呼んでいるだけのようです。
ちなみに梅雨の方がゲリラ豪雨などでピックアップされがちなので降水量が多いように感じますが、実は東日本などでは一番降水量が多い月は9月です。
西日本では6月や7月が最も降水量が多い月になる地域もあるようです。
梅雨 vs 雨期
じゃあ梅雨は雨期って考えていいんだ!
・・・と思ったところで少々ストップ。
雨期があるなら、乾期もあるはずでは?と考えてみても、思い当たる乾期ってあるでしょうか?
乾期とは雨期の逆で、一年で一か月程度降水量が少ない時期のことを指し示した言葉です。
が、日本にははっきりとした乾期は存在しません。
そのため。乾期の反対としての雨期は存在しないことになります。
つまり梅雨も秋雨も、雨期ではなくなってしまうわけですね。
元々、雨期/乾期の境がはっきりしている地域は熱帯や亜熱帯など、一年を通して気温の変動が少ない地域です。
日本は(沖縄や北海道などの一部、南鳥島を除き)ほとんどが温帯です。
四季があり、季節ごとの気温の変動が比較的大きい方なので、明確な雨期と乾期の違いがみられない土地柄ということになります。
日本に乾期は存在しない?
さて、日本に存在しない乾期ですが「いや、冬の関東平野は乾期だろ!」と言われる方もいます。
しかし残念ながら冬場の東京は月に数日はちゃんと雨が降っています(最少降水日数も12月で4.2日)
そのため、日本には乾期っぽい時期は存在していても明確に乾期と呼べる時期はありません。
一方、この「日本海側~」や「太平洋側~」と言った気候の区分は日本独自の気候区分です。
地理の教科書にあるケッペンの気候区分よりもずっと細分化されているイメージです。
雨期と梅雨の違いまとめ
●秋に秋雨があるので、それと区別して雨期と呼ばずに梅雨と呼んでいる
●ただし日本には乾期が存在しないので、乾期に対しての雨期は存在せず、その場合には梅雨は雨期ではない
●日本で乾燥している時期があってもそれは乾期とは言わない
年間の気温差がある程度ある温帯は、実は農業などに適した土地です。
梅雨はじめじめして嫌だなと思われるかもしれませんが、これから夏が来ると思って乗り切ってみてください。
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