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潮干狩りのあさりの持ち帰り方法 長時間の移動や注意点

季節-春

4月から6月上旬にかけては潮干狩りのシーズンです。
暑すぎず寒すぎず初夏の陽気のいい時に家族で潮干狩りに行くのはかなりオススメのレジャーです。
しかも自分で獲ったあさりが食べられるのだから、一石二鳥どころではなく子供も大喜びです。
楽しく潮干狩りをして、鮮度よく綺麗に持って帰り、その日の晩ごはんに美味しく食べたい!!
それにはとったあさりの持ち帰り方が重要になります。
20年間近く毎年潮干狩りをし続けてきたノウハウをまとめてみました。

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潮干狩りのあさりの持ち帰り方法を簡単に!

上手に持って帰って美味しくいただくには、最低でも3つの道具が必要です。
と言っても難しい物ではありません。
クーラーボックス、ネット、そして空のペットボトルです。


【クーラーボックス】
言わずもがな、あさりを入れて持って帰るためのものですね。
釣り具屋さんに売っているような高級なものでなくても大丈夫ですが、ちゃんとロックできることと保温(保冷)機能がしっかりあることが重要です。
夏場の買い出しにも重宝するので買えるに越したことはないのですが、そんな余裕がないよという方は発泡スチロールのボックスとガムテープを準備してください。

あさりを持ち帰る入れ物で重要なのは

●しっかり蓋ができること→水漏れの心配(海水を入れてきますので漏れるとさびたり匂いの原因になります)
●保温(保冷)ができること→水温が上がりすぎるとあさりが死んでしまいます
●暗所になること→砂の中にいるあさりは暗い場所の方がリラックスして息をしてくれます(つまり砂抜きが始まる)

の、3点です。

これをクリアする容器として一番ぴったりなのがクーラーボックス、次点で発泡スチロールの箱です。
蓋の無いバケツやタッパー、ジップロック、ビニール袋といったものではこの三点をクリアするのが難しいので、特に初心者にはオススメできません。


【ネット】
次にネットですが、これはあさりを洗う際に利用します。
潮干狩り場によってはナイロン糸でできた網を渡されることがありますが、無い場合にはみかんのネットのようなものを準備しておくといいかもしれません。

このネットは何に使うかというとあさりを洗うのに使います。
洗うのなんて家帰って来てからでもいいんじゃない?と思うかもしれませんが、砂や泥の中で生きていたあさりの殻って意外と汚れています。
なぜかと言うと、あさりは体の中に入ってきた食べられないものを粘液でまとめてからの外へポイと捨てる習性があるので、それが体の周りに付着していることが多いからです。

そこで便利なのがネット。
しっかりと砂が落ちるサイズの網目であることが重要です。
このネットにあさりを入れて真水で洗います。
え、海水じゃないの?!と驚かれるかもしれませんが、一番驚くのは真水をぶっかけられたあさりの方です。

海水の中で生きてきたあさりは真水だと死んでしまうので反射的に貝殻の口を閉じます
そうすることで、余計な水分が貝の中に入らずに外側を綺麗に洗うことが出来るのです。
貝殻の外側を綺麗に洗っておくと、腐敗するものが無い状態になりますから鮮度よく持ち帰ることが出来ます。

といってもやはり長時間真水で洗うというのはあまりいい物ではありません。
そのためサッとあらう&衝撃で貝が割れないという意味でもバケツで洗うよりもネットに入れて洗う方がずっと簡単です。


【空のペットボトル】
こうして洗ったあさりは先ほど述べたクーラーボックスなどの入れ物にいれて、ここで登場するのが空のペットボトルです。
これは海水を入れるのに使います

さすがのあさりですが、空気にさらした状態や真水に入れて持って帰ったのではだめになってしまいます。
理想は容器の半分ぐらいまでのあさりとひたひたぐらいの海水です。
そして空のペットボトルにはなるべく多くの海水を汲んで帰ってください。
我が家では4~5㌔のあさりを毎年獲っていましたが、2リットルのペットボトルを3本ほど合計6リットルぐらいはゆうに持ち帰っていました。

が、ここにも一つ落とし穴が。
海水と一口に行っても、一番の理想は濾過海水です。

先ほどまで潮干狩りをしていた場所の海水では逆に貝が弱ってしまうことがあります。
というのも、海の水は透明に見えて実はたくさんの不純物やプランクトンが含まれています。
これらの不純物・プランクトンを除去したのが濾過海水です。
濾過海水は塩分濃度などはそのままなので、あさりが呼吸しやすい海水ということになります。
しかし組んできた海水ではせっかく落とした砂がまた着いてしまったりします。

もし濾過海水が無い場合には、家に帰るまでは汲んできた海水に入れて持ち帰るしかありません。
そして帰宅後に自分で海水と同じ塩分濃度(約3%)を作って、すぐにあさりたちを移し替えてあげなければなりません。
おおよそ1リットルの水に対して、食塩30グラムと覚えておいてください。

もし潮干狩り場に濾過海水がある場合には、帰りに浸しておく海水はもちろん、家に帰ってから調理するまでに砂抜きをするのも濾過海水で行ってください。
ばっちり呼吸をして、ジャリジャリなんて言わないおいしいあさりが食べられますよ!

潮干狩りの持ち帰りが長時間になる場合には?

さて、最低限のグッズ3点を紹介しましたが、帰り道が長時間になる場合にはこれに+αの装備が必要になります。

具体的に長時間とはどれぐらいかというのは難しいのですが、例えば我が家では上記の最低限3セットで2時間は余裕でした。
それ以上、そして気温が高すぎて夏日みたいになる・帰り道の炎天下に車を止めておく用事がある、などの場合にはこれに保冷剤が必要になってきます。

あさりに関わらず、美味しく食べるには鮮度が重要です。
この鮮度というのは言い換えてしまえば、生きたままどれぐらい運べるかということです。

生き物を輸送することを考えた時、大事なのはご飯(餌)ではありません。
温度・湿度・空気です。

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このうち、湿度に関しては海水に浸して持って帰るのである意味湿度100%なので問題ありません。
次にネックになってくるのが温度です。
海水の温度が上がりすぎてしまうとバテて死んでしまうので、ある程度水温を下げる工夫が必要です。

しかし、帰るのが長時間ならばもちろん行くのも長時間のはず。
ということは帰宅するころには家から持ってきた冷媒なんか、役に立たたないぐらい解けているでしょう。
ということは、冷やす物を現地調達する必要がありますね。

そこでオススメなのが、コンビニで売っているロック氷です。
使い方は簡単。封を切らずに袋ごとクーラーボックスに放り込むだけ
こうすることで真水が漏れる心配はありませんので、海水が薄まってあさりが弱ることもありません。

あさりが生息するのに適温は18~20度と言われています。
しかしこれはあさりが特に高温に弱いというだけで、冬場の水温でも越冬しているのでマイナスにさえならなければそこまで問題ありません(数日という超長時間でさえなければ)。


一方酸素の方ですが、持ち帰る容器の高さ半分ぐらいまでの量のあさりあれば、クーラーボックスをロックして密閉しておいても3~4時間ぐらいはもちます。

それ以上の時間がかかる場合には、エアレーション(金魚のぶくぶく)のようなものが必要・・・かと思いきや実は簡単に水中に酸素を補給させる方法があります。
それはコップで水を撹拌すること。

紙コップでも構いませんので、コップに汲んだ海水を高い位置からわざとしぶきが上がるように勢いよくドボドボ!っとクーラーボックスの中に戻してください。
これを何度も何度も繰り返します。
こうすることで水に空気が混ざって、徐々に酸素が溶けていきます。

実は水槽で使われているようなエアレーションも酸素を送り込んでいるわけではなく、空気を送り込んでいるだけなので、原理としては全く同じです。
それに、ぴったりと口をふさがないと持ち帰る最中に水がこぼれて大変ですし、電源が無いと動かないので、酸素補給には管で空気を送るエアレーションは不向きです。

酸素不足になるほどの長時間持ち帰る際には、トイレ休憩などの時に水が多少はねても大丈夫なところで、あさりの酸素休憩をさせてあげてください。

潮干狩りの持ち帰りで注意するのはこのポイント!

あさりを持ち帰る際には、生き物を持って帰るという意識がポイントになってきます。

確かにお魚のようにビチビチ動くわけでもないので石っころを連れて帰るのと、見た目はさほど変わりません。
しかし実は鮮度ピチピチで、呼吸もしていますし落ち着いてくるとゴトゴト音がするぐらいに動きます。
それが潮干狩りでとったあさりです。

生きたお魚を持ち帰るなんて状態になったら、鱗を取って内臓を出して三枚におろして・・・としてようやくスーパーでパック詰めされている状態になると簡単に想像がつきます。
では生きたあさりはどの状態までしたらスーパーで売っている状態になるのか?
これを考えつつ、逆算して持ち帰るのが美味しく食べるコツになります。

まずお魚であれば、海で取れたところから市場まで持って船でもってきますよね。
それが潮干狩りでは、砂から掘り出してクーラーボックスに入れるまでの作業になります。

①綺麗に洗う
②海水に入れて暗所に
③温度が上がりすぎないようにする

これが条件です。

そのあと、市場からスーパーに運ばれるのが潮干狩り場から自宅へ帰る時間だと考えてください。
この間にもどんどんあさりの鮮度は落ちて行ってしまいます。
なるべく早く、どこにもよらずにすぐに帰ってくるのがベストです。

そして帰宅後はすぐに砂抜きです。
もちろん帰り道にある程度砂抜きはされていますが、乗り物の振動にびっくりしてなかなか口を開けてくれないあさりもいるので、帰宅後は速やかに砂抜きの準備をします。

濾過海水があればそれに、なければ作ったたっぷりの海水にあさりを入れてあげてください。
そして上から新聞紙やアルミホイルをふわっとかぶせておきます。
こうすることで暗所で静かになるのでリラックスしたあさりが徐々に呼吸を始めます。
呼吸と同時にあさりの体内に入っていた砂や砂利が出てくるので、食べたときにジャリっとすることがありません。

ここまでしてようやくパック詰めされたスーパーのあさりと同じ状態になります。
あとは調理する前にもう一度水道水で綺麗に貝殻の外側を洗ってから料理に使ってみてください。
売っているのとは段違いに美味しいので本当におすすめです。

ただ一つ注意というかビックリするかもしれませんが、クーラーボックスや砂抜き用の入れ物は意外と汚くなるので覚悟しておいてくださいw
なるべくなら家の外で洗えるといいかもしれません。

潮干狩りの持ち帰りのコツまとめ

●持ち帰りにはクーラーボックスが最適だが、密閉・暗所・保冷が出来るものであれば大丈夫。クーラーボックスが無ければ発泡スチロールの箱とガムテープで対応可能
●潮干狩り場でネットに入れて真水でざっくり洗ってくる方のがおすすめ
●持ち帰る海水は濾過海水がベスト。無い場合には浸してくるのを海水、家では自分で海水を作る(水1リットルに対して食塩約30グラム)
●長時間になる場合にはまず水温が上がりすぎないことが重要なので、コンビニでロック氷を買って袋ごと放り込んでおくのが楽
●酸素はそこまで心配しなくても大丈夫だが、あまりにも長時間になる場合にはコップで撹拌して酸素補給をしてあげるといいかも
●生き物を持って帰る意識で持ち帰らないと美味しく食べられない!

私は小学生のころから春になると潮干狩りに行ってあさりをたくさん取っては食べていましたが、逆にそれ以外の季節にはあさりは全く食べません。
口が開いて弱ってしまったあさりをスーパーで見かけても、まったく食べたいと思えないのです。
それぐらい潮干狩りでとってきた鮮度のいいあさりというのは、びっくりするほど美味しい物です。
ぜひとも正しい洗い方、持ち帰り方で鮮度を落とさずに家まで持って帰って、家族で美味しいあさりを食べてみてください。

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