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アートアクアリウムの魚にストレスって?濾過や金魚のその後

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今年で10年目を迎えたアートアクアリウム
金魚を飼ったことがない人でも
行ってみたらとてもキレイで感動したという人が多いかと思います

しかし綺麗だと思う一方で、狭い水槽に大量に入っていたり
照明がひっきりなしに変わっていく様子に
金魚へのストレスはどうなんだろうか?と
疑問に思った方もいらしたのではないでしょうか

アートアクアリウムについて個人的感想を交えつつ
別の角度からこのイベントを見るポイントをご紹介します

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アートアクアリウムは魚にストレスを与えていないのか

数年前から気になっていたアートアクアリウムに
2017年9月、日本橋で行われていたイベントでようやく行くことが出来ました

キレイだなぁと思う反面、やはり一時でも水産関係を志してきた者からすると

「う~ん、過密飼育!」

というのが正直な感想でした


さて、このイベントを見た方が抱く疑問は

魚に対するストレスってどうなの?

ではないかと思います


私は主催者ではないのではっきりとは分かりませんが
さすがにこれだけ光を当てたり、過密に飼育をしていたら
ストレスは多かれ少なかれあるのでは?というのが個人的な感想です

なので、このイベントに行かれて

「綺麗だけど魚は大丈夫なの?」

と思われるのはいたって普通の感覚じゃないかな~と思っています


ただ、このように金魚の展示をセンセーショナルに行うことで
金魚に対する興味関心を引き付けられたのなら
このイベントは成功しているのではないでしょうか

金魚は約1600年前の中国でフナの突然変異を選んで飼育し続けられたものとされています
元からいる種類ではなく、人為的に生み出された種類だということです

そのため自然の川などに戻してしまうと生きていくことは困難です
(あのひらひらのヒレでは泳ぐのが遅すぎて流されますよね・・・)
小さな水槽でしか生きられないことを考えると
金魚という存在自体に、多かれ少なかれ「可哀そう」という気持ちが湧いてこないでしょうか

そのため、このアートアクアリウムを見て
自分も綺麗な金魚を飼ってみたい、ちゃんと大事に育てたい
と思う人が出てきてくれるのであれば、それは意味あることではないかと思う
のです


また、この表は、金魚の産地としても有名な大和郡山市の
平成5年から平成27年までの金魚の販売量です

出典)奈良大和郡山市ホームページ 大和郡山金魚販売量
https://www.city.yamatokoriyama.nara.jp/ourcity/basic/statistics/000486.html#industry1

数値を見てもらうと分かるのですが
全ての金魚の販売量が徐々に減って、総数では30%ほど落ちているのが分かります

こうした状況の金魚産業に対して入り口を大きく広げて
より多くの人に金魚を見てほしい、「きれい」と思って欲しいと思った時に生まれたのが
このアートアクアリウムだったのではないか?と
何やら苦しい気持ちを抱えつつも、見ていて感じました


このようなイベントをドンドンやった方がいいとは、残念ながら確かに思えませんでした

しかし、縮小していく金魚の産業の事を考えると
センセーショナルな形で多くの人の目を引き付けることで
美しい金魚たちの姿を見てもらう機会を増やすという意味では
ちゃんと意義あるイベントになっているのではないかなと思いました


もし、アートアクアリウムを見て
金魚をキレイと思って興味がわいた反面、金魚たちの事を心配するのであれば
正しい知識や技術の元で、金魚を飼ってもらえたら、と私は思います

アートアクアリウムの濾過はちゃんとしているの?

アートアクアリウムを見に行った方の中で

ぶくぶくがない!」「水が循環してない!!

と、金魚の虐待を疑われた方が多かれ少なかれいらっしゃると思います

が、ちょっと冷静に考えてみてください
あの魚の数を濾過とエアレーションなしで維持できると思いますか?
無理ですよね

つまり見えないところに非常に巧妙に装置が隠されているということなのです


たくさんの水族館を見てきた側からすると
濾過やエアレーションの隠し方すごい!
と、逆に感動していました

しかも水族館などの専門設備が整った建物ではなく
一般的なビルでイベントを行っています

また、見に行ったときに餌の残りもほとんどありませんでした
餌のあげ過ぎは水質はもちろんのこと、病気の元にもなります
その点についてはちゃんと管理されているのではないかと感じました

魚の数・水槽の大きさ・建物の特性を総じて考えてみると
比較的、魚の状態はいいな~というのが個人的な感想です


ではどのあたりに濾過やエアレーションが隠されているのか?
いくつかの写真と共に見て行きたいと思います
(写真撮るのがへたくそなのでご容赦を!w)

<キリコリウム>

金魚自体はブレていますが金魚鉢の全体像はこれで見えますねw
この中央にビー玉で隠されているのが濾過された水が出てきているところだと思われます
そして下の台座部分に流れ落ちてさらにその下に吸い込み口があり
中で濾過とエアレーションが行われて切子の金魚鉢に戻ってくる・・・
という循環がされていると予想されます

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<久谷金魚品評>

いくつかある九谷焼の金魚模様の金魚鉢です
底が二重になっているのが分かります
この二重底の隙間から濾過された水が出てきて、外に溢れて
下の受け皿からまた濾過・エアレーションが行われているようです

<超花魁>

非常に込み合っていてこれしか参考になる写真がないorz ゴメンナサイ!
見えづらいですが、右の緑の丸の部分が濾過装置だと思われます
見えない部分でエアレーションが行われているとも思われますが
高い位置から落とすことで撹拌してエアレーションする効果もあるのでは?

ECO EDO日本橋
アートアクアリウム2017~江戸・金魚の涼~&ナイトアクアリウム ホームページ
作品紹介
http://artaquarium.jp/nihonbashi2017/

写真左から3番目の『タマテリウム』は
水の入った水槽に蓋がされているだけのように見えるのですが
実はよく見ると後ろにオーバーフローさせているんです
内部が二重底構造になっていて
水槽の下に濾過とエアレーションの装置があるのだと思います


実はこのような、一見してエアレーションや濾過していないような水槽は
水族館ではクラゲ用の水槽などに使われている場合があります

というのも、クラゲは傘の部分に空気が入ると弱ってしまうんですね
そのため酸素を含ませる空間と飼育している空間は分ける必要があります

そのため一見するとただ水が溢れているようにしか見えないのですが
実はちゃんと循環されているのだと分かります

また、静かなことにビックリされた方もいるのではないかと思います
室内に音楽がかかっていて聞きづらいのもあるかもしれませんが
ほとんど濾過とエアレーションの音は聞こえません
だからこそ「水質の管理ちゃんとしてるの?!」と思ってしまうのかもしれませんね


これ以外の水槽でも
実は金魚鉢の裏側に緑色の造花で排水口が隠されていたりと
魚以外を見ていても面白いなと思いました

もし気になる方は金魚や金魚鉢の造形以外にも
最新の濾過やエアレーションの技術を見てみるのはどうでしょうか?

アートアクアリウムの金魚はその後どうなるのか

さて、やっぱり気になるのは「金魚のその後」でしょうか
私もずーっと気になっていました

展示されているのはお高い金魚ばかりだったので
乱雑に扱われることはないとは思っていたのですが
やはり生体展示ですから、行く末を心配するのが人間ってものですよね

アートアクアリウム ホームページ
ご挨拶
http://artaquarium.jp/greeting-history/

こちらで、このイベントの主催者・木村英智さんが金魚たちのその後について書かれています

以下抜粋

ここで泳ぐ魚たちは、栄養価の高い食事、高性能な水質浄化装置、毎日毎晩徹夜でおこなわれる生体管理スタッフによる世話など、観賞魚として生を受けたものとして、人から与えられる最大限の愛情を受け、幸せな時間を過ごしております。
もちろん展覧会が終わると金魚たちは元気に元居た金魚市場の池や問屋さんに戻って行きます。

以上抜粋

このように、ちゃんと管理を受け
(幸せかどうかは魚に聞かなければ分からないのでさておき)
そしてイベント終了後は元の池や問屋さんに戻されるらしいので
金魚のその後を心配していた方にとっては少し安心されたのではないかと思います

確かにあれだけの数の飼育をしていれば
死んでしまう金魚も少なくはないと思いますが
無下に扱われているわけではないと知れば
私たちの見方も変わるのではないでしょうか?

さいごに

アートアクアリウムって魚にストレスとかあるのでは?
●ストレスはあると思うが、日ごろ金魚に興味がない方にも見てもらいたいという一つの形ではないでしょうか(※あくまで個人の見解です
●濾過やエアレーションは巧妙に隠してあるので探すと面白い
●イベント後、金魚たちは元の池や問屋さんに戻されるらしい

魚好きにしてみると、過密飼育で可哀そうだなと思う部分も少なからずあります
それでも、いつも触れ合わない方に「きれいね」と目に触れる機会が増えて
そこからちゃんとした知識と技術を学ぶ人が現れるのであれば
意味あるイベントなのではないかなと考えています

もしこれから行かれる方は
ただきれいだなと思う以外の視点を持って行かれると面白いかもしれません

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