年末に2019年の大河ドラマ『いだてん』を見終わり、「近代オリンピックってこんなに山あり谷ありだったのねぇ」としみじみしました。
さて、そんなことを言っているうちに2020年東京オリンピックが来ちゃいそうです。
というのも今年はオリンピックイヤー、うるう年!
うるう年にオリンピックやってるんでしょって記憶している方多いかと思いますが、少々お待ちください。
まずその覚え方には例外があるのと、そしてどうしてオリンピックの年にうるう年が当たるのか、その謎について考えたことはありますでしょうか?
近代オリンピックのおかげでうるう年はスポーツ界にとってはなんだか騒がしい一年ですが、うるう年の方はと言えば実はそうでもなかった?!という驚愕の事実です。
オリンピックの年がうるう年なんでしょ?
うるう年の覚え方と言えば、オリンピックがある年!って子供の頃教わりました。
が、これには例外があります。
しかも2種類。
例外の年が回ってくるのは次はいつなのか?ちょっくら計算してみたいと思います。
うるう年の法則と計算方法
うるう年の計算方法と言いますか、単純に法則です。
この三つさえ覚えておけばいつがうるう年なのかパッとわかるようになりますので、オリンピックとは関係なく覚えておくのがよろしいかと思います。
※ただし何の役に立つかは分からない
① 西暦を4で割って割り切れる年はうるう年
② ①のうち、西暦を100で割って、割り切れる年はうるう年ではない
③ ②のうち、西暦を400で割って、割り切れる年はうるう年
です。
ややこしいですね。
4の倍数は基本はうるう年ですが、下三桁が100の倍数の時はうるう年じゃない、けど400の倍数の都市はうるう年ですよ、ということ。余計ややこしい。
これとオリンピックの開催期間4年というのがちょうどマッチしているため、一見するとオリンピックの年がうるう年であるという認識になってしまったようです。
過去にうるう年ではなかったオリンピックとは
さて、例外があるとは言いましたが、実際にその例外が発動したオリンピックは過去に一回だけです。
1900年第二回パリ大会です。
というのも、近代オリンピックは1896年第一回アテネ大会からなので、2020年の現在までの間に約120年の歴史しかありません(しか?w)
つまりその間に下三桁が100の倍数になったのはたったの二回。
1900年のパリ大会と、2000年のシドニー大会です。
ところがこの2000年というのは100年に一度のレアケースよりもさらにレアな『下四桁が400の倍数になるのでうるう年』という時だったため、2月29日が存在していました。
古代オリンピックまで含めたらどうなるかは分かりませんが・・・いやその頃はうるう日はたぶんまだ導入されていなかったですね。
今後平年に行われるオリンピックは?
じゃあ次に、うるう年じゃない平年に行われるレアなオリンピックはいつなのか?というと、2100年!
80年後なので(現在2020年)、オリンピック開催予定地の影も形もございません。
残念ながら私自身も生きている気がいたしませんので、まぁ今回の東京大会2020を観戦するぐらいで良しとしておきたいと思います。
なぜオリンピックはうるう年に開かれるようになった?
とはいえ気になるのは、なぜうるう年にオリンピックが開催されるようになったのか?ということ。
正直にお聞きしたい。
狙ったんですかね?
四年に一度、狙って4年開催にして、しかも第一回をうるう年に当てたんですかね??
・・・・って思っていたんですが、どうやら本当に偶然のようなのです。
それを知るには古代オリンピックの時代までさかのぼらなければなりません。
古代オリンピックについて
そもそもです。
なぜオリンピックは4年に一度なのか?
世界選手権とかと同じで一年に一回やってもいいんじゃない?って子供の頃は思っていました。
実はその理由は古代までさかのぼります。
現在行われている近代オリンピックは「平和の祭典」という意味あいをとても強く打ち出しているものです(いだてん見てたらすごくよく分かりました)。
ところが古代オリンピックはどちらかというと宗教行事としての色合いが強く、古代ギリシャの色々な地方でゼウスにささげるための競技祭として行われていました。
というか、オリンピックの語源となったオリンピア祭のほかに、ネメアのネメア祭、デルフォイのピュティア祭、コリントのイストミア祭の四大祭として開かれていたそうです。
競技とはいえ祭典ということは(感覚的な言い方で申し訳ないですが)、お祭りには時期が大事ですよね。
この時代のギリシャは基本は太陽太陰暦(月の動きを元にした太陰暦だが太陽の動きも取り入れてうるう月を取り入れたもの)であったと言われています。
この太陽暦と太陰暦は大きなずれが生じるもので、太陽暦八年と太陰暦八年三か月のズレである3か月を利用してオリンピックを開いていたらしいんですね。
ちなみに当時は都市国家(ポリス)ごとに使われている暦が少しずつ違ったようで、開催時期は『夏至後の2度目か3度目の満月の日』とされていたみたいです(東京五輪に照らし合わせてみると夏至から二回目の満月が8/4なので早期開催ってわけですね)。
なぜオリンピックは4年に一回?
しかしながら八年に一回三か月間も閏月をいれるのは長すぎるため、四年に一カ月・さらに四年後に二か月と季節のずれを調整するようになりました。
これがオリンピックの4年に一度の開催の原型になったと言われています。
・・・と、ここまで話しておいてなんですが、あくまでもコレは有力な説であって、実は正解は分かっていません。
他にもギリシャ神話の女神アテナを祝福するためのお祭りが4年に一度だった(地球・金星が一直線に並ぶのが四年に一度)という説もあります。
しかしどちらにせよ、「古代」とついているだけあって実は古代オリンピックは途絶えてしまっています。
古代オリンピックが消えた理由
実は古代ギリシャをキリスト教を国教としていたローマ帝国が制服してしまったため、宗教行事であった古代オリンピックは開催が難しくなったという歴史的背景があります。
その後紀元前776年に都市国家エリスのイヒテス王がオリンピア祭を復活させるために、当時戦争中だったスパルタと休戦条約を結びました。
この期間が4年間でオリンピアードと呼ばれています(こちらも四年に一度の理由の説の一つです)
近代オリンピックになってから
で、そんな古代オリンピックに着目して近代オリンピックを提唱したのがフランスのクーベルタン男爵です。
近代オリンピックの父と呼ばれている髭のおじさんです(なんて失礼な)。
教育に力を入れていたクーベルタン男爵は次第に古代オリンピックの近代における復活を思い描くようになり、1894年のパリ万博でオリンピック復興計画を議題にあげました。
これが第一回アテネ大会の二年前のことでした。
満場一致で可決され、二年後1896年にオリンピック発祥の地であるギリシャのアテネで第一回大会を開催。
明言はされていませんが、別にうるう年を狙って開催してわけじゃないっポイんですね。
だからオリンピックがうるう年なのはたまたま、偶然の産物なんです。
冬季オリンピックはうるう年じゃないけど?
更に更に付け加えるならば、夏季五輪はうるう年だが冬季五輪はうるう年じゃないだろう!というご意見も、はい、ちらほら見えますね。
その通り、なんですが実は1992年の第16回アルベールビル大会(フランス)までは、夏季五輪と同じ年の冬に冬季オリンピックは開催されていました。
意外と近い年代じゃん?って思った私はすでにオーバーサーティーンです。
第一回の冬季オリンピックは夏季に遅れること約四半世紀、1924年フランスのシャモニーで行われています。
この第1回から16回までは夏季五輪と同じ年でうるう年に開催されていました。
変わったのは1994年リレハンメル大会(ノルウェー)からです。
冬季は夏季から二年ずらされ、リレハンメル五輪の時は前回大会から2年しか間隔があいていません。
なぜ開催時期をずらすようになったのかIOCは明言していませんが、諸説あります。
競技数が冬季<夏季なので、同じ年にやると観客が多いのは夏季
となると、どうしてもスポンサーが多く付くのも夏季
必然的に冬季五輪の注目度を上げるには開催年をずらす必要があった
●夏季も冬季も出場する選手がいた
・・・らしいデス。
ホンマカイナ?と思って調べてみたところ、ウィキペディアにこんな項目が
Category:夏冬オリンピックを経験した選手
意外と多いですね・・・!
日本人選手もいます(ボブスレーとリレーだそうです)。
まぁある意味利権がらみってことですかね・・・おっと誰か来たようだ?
最後に
色々と御託を並べてきましたが、現在生きている二十歳以上の方は次に「うるう年じゃないのにオリンピックがくる!」という2100年には生きている確率はとても低いと思うので、あまり気にしなくてもいいと思います(ホンマか?)
現在二十歳の人が100歳ですから・・・・うーんこのままのペースだと意外と生きているかも・・・。どうなる日本の健康寿命。
私はお空の上にいる予定なので、もしリアル観戦した方いらっしゃいましたらご一報お待ちしております。
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